先日の日経一面に以下の記事がでました。



株式公開 緩むルール
世界の取引所 誘致競う 親子上場に例外


親会社と子会社が共に上場する親子上場は、株式持ち合いと並び欧米ではほぼみられない日本独特の資本政策だ。親会社が自らの利益を優先し、子会社の一般株主の利益を損なう恐れがある。海外投資家からの批判も強く、2016年度末は270社と10年前のピークから3割減っていた。

 東証はジレンマに陥っている。07年、ソフトバンクのような収益の大半を稼ぐ中核子会社の上場に否定的見解を示した。認めれば、従来方針の否定につながりかねない。



日本郵政3社の壮大な親子上場を認めてしまっていますし、規則として認めている以上、実態判断に委ねるしかないですが、グループ全体の営業利益の半分以上を占める発行体は、中核的子会社以外の何者でもないでしょう。東証には毅然とした対応を望みますが、東芝を上場維持させるくらいですから、まぁ、無理でしょうね。


親子上場では常に親会社と子会社の少数株主との利益相反や、親会社から見た子会社少数株主への利益流出などが課題とされており、私も実務で過去に何社かその課題解決に携わってきました。


特に子会社の上場については、親会社に依存することなく、独立した事業運営が可能か否かが、審査上重要であり、ヒト、モノ、カネ、情報等すべてにおいて、一定の定量的な数字をクリアしなければならず、結構ハードルが高い項目もあります。


具体的には、親会社から出向していた主要部門長を転籍させたり、親子間で取引を行っていた場合、その商取引の価格含めた取引条件が第三者と取引を行う場合と、遜色のないものに条件変更したり、役員構成の過半数を親会社出身以外の人間にすることが必要になるということですね。


一応、親子上場の解消に至る経緯を書いておきます。親子上場の解消については民主党政権での唯一まともな政策でした。


親子上場は2007年10月に当時の各証券取引所共同声明としての「中核的な子会社の上場に関する証券取引所の考え方について」で、「親会社グループのビジネスモデルにおいて、非常に重要な役割を果たしている子会社、親会社グループの収益、経営資源の概ね半分を超える子会社などのいわゆる中核的な子会社の上場については各企業グループ、子会社の事業の特性、事業規模、過去の業績の状況、将来の収益見通し等を総合的に勘案しながら、慎重に判断していくことといたします。」と発表されています。


また、2009年12月の当時の東京証券取引所グループの斉藤惇社長は、ブルームバーグのインタビューに対して、強制的な措置は考えていないと言ったうえで、「子会社の犠牲の上に親会社が利益を上げるケースもあれば、その逆も起こる可能性がある。(親会社が取締役の派遣などを通じて子会社の経営を握ることで、利益相反を引き起こす可能性があることから)親会社が上場子会社を吸収合併して連結対象とすることを推奨したい」話しています。


これ以降、親子上場についてのコメントは出ていないので、現状はこのスタンスとの理解です。


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