【Hiroの投資銀行サロン】
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週間レビュー No.56  2016/7/23~2016/7/29
 

今週の週間レビューです。
今週は投資銀行ライブラリーで第一三共のランバクシー買収をお話ししました。本件は2008年6月に買収ローンチしたインド製薬大手のランバクシーの株価がその年の12月末で取得価格より66%下落したことを受け、第一三共が3000億円を減損計上した案件です。
 

インドのファーマーのEBITDAマルチプルの平均は12.2倍に対して、TOB価格は29.7倍であり、バリュエーション上はかなり高い水準であり、大きく減損が響いた格好となっています。
単体決算で、3200億円の評価損をたて、連結ではのれん代の減損処理として3000億円。買収金額は4900億円でした。
 

ここで、当時、第一三共がランバクシーを買収することの「戦略上の」議論はしませんが、
M&Aアドバイザリーの立場からすると、買収後に以下の社内体制の不備等を当局に指摘されたりしたことを考えると、DD(デューディリジェンス)の精度に問題があったのは否めないところです。
むしろここが、クロスボーダー案件の難しいところと考えるべきですかね。
 

「2008年9月16日に、米国FDAはRanbaxyの医薬品30種以上の輸入を一時停止。医薬品の安全性に問題はないが、デワスとパオンタ・サヒブにある2つの工場で、製造器具の洗浄状況、生産管理、品質管理などに関する記録の保存に関して問題が改善されていないため。 また、FDAが1月から3月にかけて問題の2工場を査察した際、抗生物質の取り扱い方法にも問題が発見されたという。」
 

結果的に、第一三共は2014年にランバクシーを売却しこの案件は失敗に終わりました。

まさにクロスボーダーM&Aの「しくじり先生」的な位置づけとなります。

あとは、ユニリーバのダラー・シェイブ・クラブ買収の流れで、再掲したQBハウスのBlogのPVがすごいことになりまして、4年前のエントリーではありますが、改めて御礼申し上げます。
 

さて、来月は投資銀行ライブラリーはありません。

また、8月25日にはDMM.com本社にて「LINE IPO」のリアルmtgを開催します。
現在115名の参加者となっております。

引き続き「Hiroの投資銀行サロン」をよろしくお願い申し上げます。
 

今週のサマリー
 

【サロンonly】
 

7/26 国内ジェネリック市場
7/26 国内競争環境
7/26 全世界および新興国の後発医薬品シェア 
7/27 カテゴリー別市場予測
7/27 後発品医薬品企業の最近動向一覧
7/29 第一三共ランバクシー
7/29 買収ストラクチャー
7/29 その後の業績
 

【フィナンシャルトピック】

7/25 verizon-buys-yahoo
 

7/27 ユニリーバが1千億円で買収、会員制「ヒゲ剃り」で200億円稼ぐ企業

【参考Blog】
 

7/27 「俺のことはほっといてくれ」 QBハウスで思うこと

7/27 「肉食系M&A」を繰り返すアステラス製薬が目指すもの 

7/27 今後の伸びしろは特化型、ジェネリックと新興国~イスラエル・テバ社、大洋薬品工業買収で思うこと

7/27 富士製薬工業タイ工場建設〜第一三共ランバクシーを買収を振り返る〜デューデリジェンスにご注意を

7/29 第一三共「ランバクシー」買収で思うこと

7/29 武田薬品、第一三共 M&A・ファイナンスとしての企業価値

【投資銀行ライブラリー】

製薬業界M&A 第一三共・ランバクシー