ロイターによれば、Jフロント リテイリングは4日、イオンに対し、食品スーパー「ピーコックストア」を売却すると発表しました。イオンは、株式譲渡価格130億円と債権譲渡価格170億円の合計300億円をJフロントに支払います。株式譲渡期日は4月1日。

イオンは、中期計画で「大都市シフト」を掲げており、首都圏に多くの店舗を持つピーコックを買収することで、一段の強化を図る。輸入食材や付加価値の高い商品の品揃えなどのノウハウを取り込むほか、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」や電子マネー「WAON」などをピーコックに活用する方針だとか。

ピーコックは首都圏48店舗を中心に89店舗を展開しており、ピーコックストアの2012年2月期の売上高は1126億円、営業利益は4億円。純損失は37億円でした。ただ、競争激化もあり、2012年3―11月期は売上高762億円、営業損益は8億円の赤字に陥っており、今期は営業赤字の見込みです。

M&Aでバイサイドであれば通常はEBITDA(営業利益+償却)の5倍まで(要はせいぜい50億円程度)のバリュエーションが多いので、前期実績で見ても本件は明らかに高い買い物となります。但しJフロントリテイリングの前期の有価証券報告書を見ると前期特別損失の中身で個別でピーコックストアのものとして記載されているのは、減損処理の約4億円のみで後はわかりませんでしたが、おそらく資産除去債務適用等と考えられるので、キャッシュフロー、バリュエーションには影響しません。

イオンは今年1月にも首都圏などで113店を運営する英テスコ日本法人の株式の50%を取得し実質的な直営店として運営していますが、本件も含め、近年都市部で人口が増加していることによる対応なのでしょうね。

一方でJフロントリテイリングとイオンと言えば2年ほど前にパルコと森トラストと確執が出来た時に、イオンが森トラスト側に着き、Jフロントはホワイトナイト的に登場してパルコ株を取得したため、ずっと対峙していたものだと思っていました。
引き続き森トラスト・イオン連合圧倒的有利 ~パルコ、キャピタモールズと提携~

但し環境が変われば「昨日の敵は今日の友」ということなんでしょうか?
いやいや、Jフロントからすればパルコに集中するからいいと。お荷物のピーコックはイオンさんが得意でしょうからどうぞと。

そう、実は今回も強かなのはJフロント、「一杯喰わされた」のはイオンという気がするのですが、いかがでしょうか?

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