東京証券取引所は2月7日、食品のネット通販サイト「Oisix」を運営するオイシックスのマザーズ上場を承認しました。公開予定日は3月13日です。

オイシックスは、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の高島宏平社長が1997年に設立(当時の社名はコーヘイ)。食品のネット通販を主力に、生花の宅配事業や、野菜・果物を販売する実店舗も展開。11年にはリクルートと提携した食品通販サイト「ごちまる」をオープンさせています。

 12年3月期の業績は、売上高が126億9700万円、経常利益が5億9650万円、純利益が3億3200万円。

ファイナンスは50万株の公募と20万株の売り出しを行い、ファイナンス総額は7億円。主幹事はみずほ証券です。

IPO周りでは以前から有名なネームであり、私もオイシックスの高島社長とは何度かお会いさせていただいき、いろいろと勉強させていただいてま。

それでは、ざっくりバリューエーションしてみましょう。まだ手元には今期業績予想のプレスがないので、概ね想定値を計算してみます。
昨年12月までの今期3Qの実績は売上112億円、経常利益は5.7億円でした。また、目論見書のリスクファクターでは前期の利益構造は3Qの利益が全体の約47%の計上しており、4Qの利益額は通期の10%程度であると記載されており、そこから勘案すると今期経常利益見込みは6.3億円になります。
一方で今期は抱き合わせ株式消滅差損0.4億円が特別損失で計上されていますが、これは一過性のものであり、キャッシュフローに影響しないため、利益として足し戻し、税引前当期純利益は6.7億円。それに実効税率40%を乗じて、税引後当期純利益は4億円となります。

また目論見書記載の想定発行価格は1000円であり、公募後の発行済株式総数は536.3万株なので、株式時価総額は1000円 × 536.3万株 = 53.63億円となります。ということは予想PERは53.63億円 ÷ 4億円 = 13.4倍ですね。但しIPOディスカウント約30%がかかっているでしょうから、それを割り戻して、13.4倍 ÷ (1- 0.3) = 19.1倍。フェアバリューでは株式時価総額約76.4億円、予想PER19.1倍の発行体となります。

この水準をどう考えればいいのか。
昨日2月7日終値ベースの専業eコマース類似会社の予想PERは、スタートトウデイ 25.3倍、一休27.1倍、小売GMS類似ではセブン&アイ17.5倍、イオン12.0倍、ヤオコー12.2倍、通信販売類似では健康コーポ14.6倍でした。

専業eコマースのPER20倍台に乗らないのは商材のボラティリティの高さや、経常利益率の違い(スタートトウデイは23.9%、一休は29.5%、オイシックスは今期3Q累計で5.1%)が影響しているのでしょうし、一方でリアルの小売よりはネット販売としての成長力を期待していると思われます。

次に株式流動性ですが、株式時価総額の何%をマーケットに放出させるかという指標のオファリングレシオ(公募売出数 ÷ 公募含む発行済株式数) は13.1%、OA含めても14.7%であり、通常のIPOが平均20%から25%であることを考えると、現状のマーケット環境では流動性は低めかと思われます。要は価格がトびやすいと。ここのファイナンス額の少なさは想定発行価格の低さなのか実需から来るものなのか。

いずれにしろ、オイシックスの今後に期待したいと思います。

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