本日の日経で、アコーディア・ゴルフが、4日、3月中旬に開く臨時株主総会で、経営統合などの組織再編を決める際の特別決議の要件を現行の総会に出席した株主の「3分の2」以上から「4分の3」以上に引き上げる定款変更議案を提案すると正式発表したと報じました。

議案提出は同業のPGMホールディングスが1月17日まで実施する予定のTOB(株式公開買い付け)が成立することが条件です。アコーディアの少数株主が不利益な扱いを受けることを避ける狙いがあるとしています。

 本件は、PGMが買い付け価格を1株8,1000円と、11月15日終値の53,200円に対して52%のプレミアムを付け、TOB期間は11月16日から2013年1月17日までとなっいます。アコーディアを持ち分法適用会社にできる持ち株比率20.0%を取得の下限とし、買い付け資金は自己資金のほか、親会社の遊技機大手、平和から借り入れるようです。

今回の株価を見てみると、すぐに反応はありましたが、動きは鈍くようやく昨年末に80,400円をつけましたが、昨日は78.800円と株式市場全体の動きとは逆になっています。但しTOB価格が安いと思えば、81,000円を超えて行くはずなので、一度もTOB価格を上回らないということは、概ね本件の敵対的買収は成立する公算でした。

通常TOBが成立する場合は、ほぼみんな同じ株の動きをします。日々値幅上限でTOB価格近辺まで株価を寄せた後、TOB価格の若干下で張り付りつくことになります。TOBに応募する場合は公開買付代理人である証券会社の口座を開設しなければならず、TOB価格で売却しても、おそらく1000円程度の口座開設手数料を徴収されるため、その差し引き金額程度で市場で売却するのと同じことになるためです。

本件の公開買付け代理人は三田証券ですが、大手証券は敵対的TOBに関与することを嫌がるため、この手の話を一手に引き受ける三田証券が公開買付け代理人になること多いですね。ということで、TOBに同意の場合は、ほぼTOB価格の若干下で株価が張り付きます。

但し、今回その可能性が揺らぐものが出て来ました。
昨日、アコーディアゴルフが定款変更案を提出したのと同時に、アコーディアゴルフ側のFAである大和証券とそのFASであるプライスウォーターハウスクーパース (PwC)の昨年12月30日付株価算定報告書が開示され、そこにはDCF法で、105,492 円~134,944 円と記載されており、TOB価格が著しく低い旨記載されているのです。

PGM ホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する情報提供の お知らせ
また、PGMはTOB価格算定で第三者評価を行っていないことから、TOB後、スクイーズアウトを行うにあたり、TOB価格より株価の引き下げを行ってくる可能性があるとして、今回の定款変更案の提示となりました。

PGMにとっての誤算はこの一連の株高です。
DCFは情報の非対称性や主観的な判断もあるため、その価格の妥当性はある程度斟酌されるでしょうが、TOBの表明は昨年11月15日であり、まさに衆議院解散と同じタイミングでした。そこから日経平均は20%以上あがり、アコーディアゴルフに対する当初のプレミアム50%だったのが、30%に縮小してしまい、TOBに対するメリット感が弱まって来ています。

TOBの行使期間は法令で60日までと決まっているので、延期は出来ないのですが、この市況を勘案し、更に株価算定書の重みをどこまで考慮するかで、週明けからの株価が動き出し、TOB価格の81,000円を抜ける可能性があります。そうなると場合によっては、PGMによるTOB価格の引き上げがあるかもしれません。

アコーディアゴルフの来週以降の株価に注目したいと思います。

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