今朝の日経で、スカイマークは関西国際空港発着の路線から撤退する方針を固め、2013年3月末で関空と沖縄、札幌を結ぶ2路線の運航を打ち切るそうです。関空発着路線を開設したのは12年3月でつい最近ですが、LCCや大手航空会社に顧客が流れ、座席利用率は4割台に低迷していました。

スカイマークは、昨年の5月に2015年3月期に参入する国際線で運航する航空機や訓練設備などの投資に充てる公募増資と第三者割当増資で約200億円のファイナンスを行ないました。その時の増資前の株式時価総額は580億円。で、昨日終値ではこの環境下でも440億円と増資後780億円の水準の半分程度となっています。

売上高は今季予想は912億円で、ファイナンスを行った時の実績値である2011年3期の580億円に比べ1.6倍となっていますが、営業利益はどちらも110億円です。ですから、営業利益率は19%から12%に下がりますね。

経営戦略で「V字の谷」という言葉がありますが、グラフで横軸に売上高、縦軸に利益率を取ると、売上高の大きい方と小さい方の両方が利益率が高くなり、売上高が真ん中の企業の利益率が低くなるため、グラフの推移がアルファベットのVの字に見えると言うものです。要はポジショニングやプライシングで中途半端になってしまい、差別化出来ず、業績を落としている状態ですね。

スカイマークは今まではグラフの売上高が小さい方だったものが、LLCが参入したことで、M字の真ん中に陥ろうとしています。エアラインは基本的には稼働率と燃費の商売なので、稼働率が下がると再編の機運が高まってくるかもしれません。

スカイマークの西久保社長はご存知のとおり、もともと航空畑の方はなく、大学卒業後いくつかシステム会社を起こし、2000年に無料プロバイダーのマスターネット(ゼロ)をナスダック・ジャパンに上場させ、その後2003年に当時ご苦労されていたスカイマークの増資を引受け、社長に就任した異色の経歴の持ち主です。

ルイス・ガースナーがIBMの経営を引き受けたとき「ビスケット屋にコンピューターが経営出来るか」と言われ、りそなが国有化され細谷氏が代表になった時、「国鉄に銀行が経営出来るか。」と言われました。

西久保社長も、当然のことながら、当時は「システム屋に航空会社が経営できるか」と言われたものですが、少なくともここまでなんとか経営を安定化させて来ました。

これからのスカイマークの西久保社長の手腕に注目したいと思います。

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