昨日大きな再編のニュースが入ってきました。今朝の日経報道によれば、低価格の戸建て分譲住宅を手掛ける一建設、飯田産業など上場6社は2013年11月をめどに経営統合するそうです。経営統合に参画するのは一建設など2社のほか、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームであり、共同持ち株会社を設立し6社が傘下に入ります。
国内の住宅着工戸数の低迷で、住宅大手などとの販売や用地確保の競争が激化している。資材の共同調達や営業店の統廃合などを進めて収益力を向上させるのが目的とか。

但し今朝の日経の住宅メーカーの売上高表示には、見直しが必要であり、積水ハウス、大和ハウス、旭化成ホームズ、住友林業については、賃貸住宅、マンション、商業施設建設の売上高が含まれており、今回のパワービルダー6社が売り上げている戸建住宅、分譲住宅の比較は適切ではありません。

実際に各住宅メーカーの戸建、分譲セグメント(以下、個人住宅セグメントという)の前年度の売上高、営業利益営業利益率は以下の通り(有価証券報告書セグメント開示より)となり、売上高、営業利益では販売戸数だけでなく、個人住宅では国内最大のメーカーとなります。

1.6社合計売上7789億円、営業利益742億円、営業利益率9.5%
2.積水ハウス個人住宅セグメント売上6024億円、営業利益560億円 営業利益率11.0%
3.旭化成個人住宅セグメント売上4519億円、営業利益463億円  営業利益率10.2%
4.積水化学個人住宅セグメント売上4493億円、営業利益310億円  営業利益率6.9%
5.住友林業個人住宅セグメント売上3747億円、営業利益非開示   
6.大和ハウス個人住宅セグメント売上3347億円、営業利益110億円 営業利益率3.2%
7.パナホーム売上2931億円、営業利益106億円  営業利益率3.6%

バリュエーションでは、株式時価総額は昨日12月25日終値で、最大がアーネストワンの788億円、最小はアイディホームの100億円で、6社合計は2673億円となり、参考まで他のセグメントも含んだ積水化学工業の3924億円に次ぐ第5位となります。
一方で個社別の数値に大きな乖離はなく、予想PERの最大は東栄住宅の6.4倍から最小はアイディホームの3.4倍で、平均は5.3倍です。予想EV / EBITDA 倍率は最大が東栄住宅の5.9倍、最小がアーネストワンの2.4倍です。

このような大きな経営統合ができた背景には、やはり6社すべてが飯田グループであることが大きいと思われ、一建設の代表取締役会長である飯田 一男氏が1967年に旧社名である飯田建設工業を設立しました。1970~1980 年代に支店開設の位置付けとして子会社を設立したり、他社を買収し事業を拡大して来ましたが、バブル崩壊後、同社が債務超過となる中、これ ら子会社は上場を志向するなどし、1990 年代にのれん分けのような形で同 社から独立していったのが今の形となっています。

現在でも資本関係の名残があり、創業家(飯田家)の 資産管理会社である(有)一商事は、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、 アイディホームの大株主に名を連ねています。そう言った意味では、今回の経営統合はグループ再編に近く、それに伴うグループ内の大きな混乱はないと思われます。但し、なぜ今回同グループと言われているファースト住建が入っていないのかはわかりません。

国内住宅市場は人口動態を勘案すると市場が大きく拡大することは考えにくく、今まで住み分けが出来ていた戸建住宅と分譲住宅の垣根が崩れ、分譲住宅については大手メーカーとの競争も起きて来るかとは思いますが、戸建住宅ついては、顧客開拓、管理のノウハウを考えると、まだ大手メーカーに優位に働いているとは思われます。いずれにしろ、どの業界も垣根が無くなって来ているのは事実ですね。

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