今朝の三菱ケミカルホールディングスは世界シェア2位の医薬品カプセル製造企業を買収するそうです。大株主の米大手買収ファンド、カーライル・グループから負債を含め約500億円で買い取ります。本業の石油化学関連事業の収益環境が悪化している三菱ケミカルは医薬品事業の強化を急いでおり、M&A(合併・買収)で収益基盤を安定させるとか。
本件はロイター・ローン・プライシング・コーポレーションが、9月26日にカーライルがクオリカプス売却に向け、GCAサビアンおよびUBSと財務アドバイザー契約を結んだと伝えていました。

実は本件は2010年末にUBSを通じてクオリカプスの売却を試みましたが、によるカプセルメーカー売却と重なり、失敗に終わっていた経緯があります。
クオリカプスは医薬品用と食品用に強みがあり、ゼラチンを原料とする通常のカプセルのほか薬物の影響を受けにくい植物由来の原料を使ったカプセルでは世界シェア首位となります。日米欧に生産や販売拠点を持ち、直近の連結業績は売上高が200億円弱、営業利益は40億円弱程度とみられています。

それでは、カーライルのリターンをざっくり見てみましょう。
クオリカプスは2005年にシオノギ製薬からMBOするに当たり、カーライルが資金を援助した案件です。当時のクオリカプスの売上は170億円、EBITDA16億円でした。残念ながら、当時のカーライルの取得額はわかりません。
今回の売却額はEVで500億円であり、営業利益が40億円弱なので、概ね製薬会社の売上高減価償却費比率(のれん償却含む)10%を勘案するとEBITDAでは60億円程度になります。そしてこれは以前出版された「カーライル」のクオリカプスの章、206ページでも富岡氏がEBITDA60億円に言及しているのをみると、概ね間違いなさそうです。

となると、EV/EBITDA倍率は500億円÷60億円 = 8.3倍となり、イグジットの倍率目線ではまあまあの水準ですし、IRR25%を目標としても7年であれば4.8倍なので、途中でロールアップのために買収した海外2社を含めても取得額が100億円以上ということはないでしょうから、このディールは投資家にとっても満足の行くものだと思われます。

ここに来てカーライルは以前のキトー、チムニーの再上場、ツバキ・ナカシマの再上場(結果的には延期)など、IPO案件が多かったのですが、本件はバイアウトとなりました。取得している会社も多いので、資産の入れ替えが積極的に行われているようですね。今後のカーライルい期待したいと思います。

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