昨日9月5日、ツバキ・ナカシマの再上場が承認されました。ツバキ・ナカシマはベアリング(軸受け)用部品大手で世界有数のシェアを持つ会社であり、当初、2007年1月に野村プリンシパルファイナンス子会社であるTNNインベストメントがツバキ・ナカシマ株の97%超を取得し、マネジメント・エンプロイー・バイアウト(MEBO)の支援を受け、非公開化したものです。



更にそれを2011年3月に米大手買収ファンドのカーライル・グループが野村ホールディングスから株式を買い取り、当初負債込みの買収総額は700億円前後に達しました。一旦ファンドからファンドへセカンダリーで売却した案件で再上場したケースは記憶にないのですが、いかがでしょうか?主幹事は野村、ゴールドマン・サックスです。



当初のカーライルが買収した時のブログはこちら
カーライル・グループ、ツバキ・ナカシマ買収 野村のリターンをざっくり検証してみる



 ファイナンスを見てみますが、今回想定発行価格は1640円で、株式時価総額は約641億円。今回公募はなく、売出のみとなっており、国内1231万株、海外1415万株、オーバーアロットメント184万株(国内売出の15%)で、ファイナンス合計額は464億円と今期日本航空の次にくる規模となっています。一方で株式流動性の指標であるオファリングレシオ(売出数÷発行済株式数)は72.3%と、IPOの平均が20%から30%であるところを勘案すると供給過多のイメージは否めません。しかも今回は公募増資がないファンドのイグジット案件となると成長資金の取り込みが無いことから、受給バランスが心配です。そういった意味も含めて、今回は海外売出しが多いのかもしれません。 



さて、カーライルのリターンを少し見てみたいと思います。有価証券届出書の株式公開情報を見ると当初カーライルは野村プリンシパル他大株主から全体の約90%を約387億円で取得しました。それが今回573億円の上場株となります。単純にみれば1年半でIRR約25%なので、投資案件としては成功だと思われます。但し今回のファイナンスは全てカーライルの売出しではありますが、464億円なので一発で利益確定出来るわけではなく、残りの100億円超を今後市場で売却して行かなければなりません。これが一回で利益確定出来るバイアウトに比べ、厳しいところです。IPOは最初からの投資条件になっていたのかもしれませんね。 



それでも、カーライルは当初EBITDA71億円、EV722億円、EBITDAマルチプル10.1倍(という高いハードルの案件普通は3倍~5倍)を仕上げてきたのは非常に価値があることだと思います。今後のカーライルに期待したいところです。

引き続き参加者募集中!  Hiroの投資銀行サロン