法律は時には残酷です。



毎日新聞によれば、創業家が過半数の株式を保有する関連会社、エリエールペーパーテックは12日、臨時株主総会を開き、大王製紙から出向していた全取締役3人を解任、創業家側が提案した5人の選任を決議しました。大王製紙が創業家の影響力を抑える目的で創業家から関連会社の株式買い取りを進めていることに反発したためで、事件の再発防止どころか内紛が泥沼化しているそうです。

今回の大王製紙の一件は、会社は株主のもの以外のなにものでもないことを示しています。ありがちな「会社は経営陣、従業員、ステークホルダーと共有すべきもの」という考えには影響受けず、気持ちいいほどに会社は株主のものだと見せつけてくれました。
私もその判断に異論はありません。この様な仕事をしていて重要なことは、軸はひとつでよく、その軸に沿って可能な限りの施策・努力をすることであり、情緒的な判断には流されてはいけないということです。 



前会長が引き起こしたカジノの件は論外だとしても、今回経営陣がオーナーシップ経営からの離脱が正義で、創業家が抵抗勢力という図式になりがちですが、創業家から見れば逆になるわけで、いつも思うのは正義の反対は悪ではなく、もう一つの正義だと思っています。創業家からしてみれば、前会長の件は個人的な話であり、地元を中心に雇用を作り、多額の納税をして来たにも関わらず、創業家そのものがそんなにいけないのかという気持ちにさせてしまったのは事実でしょう。そんな混沌とした中、株主は持株比率において平等であるといった軸は極めて重要です。 



何故この様な事態になっているのか?
大王製紙は従来連結会社が35社ありましたが、親会社の持株比率が過半数未満の関連会社が32社でありながら、会計上連結となっていました。通常は株式保有比率が過半数の子会社が連結対象となりますが、影響力基準として、過半数未満の関連会社でも人的関係、商取引含めた結び付きが大きい場合は、連結となる場合があります。ただしあくまで経営権は株式保有比率に委ねられますので、今回コントロール出来ない会社群が、自ら経営権を主張し親会社から一定の距離を置き、独立性を維持しようとしたことに問題があります。もっとも親会社経営陣側は株を買い取ろうと交渉したのですが、価格が折り合わず積んでいたところへ株主が逆襲に出たというところでしょうか? 




ではこれから親会社経営陣はどうしたらいいのか?
私はやはり関連会社株式を買い取るしかないと考えてます。価格はそれなりに高くなると思いますが、今の状態を放置してしまうと生産ラインが不安定になったり、連結社数が度々変わり、会計の連続性が担保できなくなることで、企業価値に多大な影響を与えてしまうことも考えられます。関連会社株式を高値で買い取ることで、親会社株主から詰められることもあるかもしれませんが、経営基盤そのものが揺らぐことよりははるかにマシかと思われますし株主も理解してくれると思うのですが、いかがでしょうか?

最後に。
会社は株主のものということは揺るがないのですが、それだけでいいのかというと当然株主だけのエゴで経営ができるわけもなく、当然ながら経営陣、従業員、取引先の協力があって初めて経営が成り立つのはご存知の通りです。

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