本日の日経WEB版で、総合電機の株価パフォーマンスについて、いくつかコメントが出ています。その中で家電メーカー、ソニー、パナソニック、シャープの3社について説明がありました。



その3社は、テレビ事業の不振が収益の足かせであり、株価の重荷となっており、各社は事業の再構築に着手しましたが、市場評価は芳しくなく、ソニーのPBR(株価純資産倍率)は0.57倍、パナソニックは0.64倍、シャープは0.8倍と理論的な解散価値である1倍を大きく割り込んでいるとのことです。 



たまたま、先週大学院のアルムナイで株式時価総額1兆円以上の総合電機5社について話をする機会があり、その中で過去5期(2007/3期~2011/3期)の投下資産利益率(ROIC)と資本コスト(WACC)の分析を行いました。それが以下の表です。 いろいろと手
を施しましたが、画像が悪く申し訳ございません。
総合電機リスク・リターン



御存知の通り、ROICがWACCを上回らないと、企業価値を毀損しているわけですが、残念ながら全社において、ROICWACCを上回りませんでした。もっともROICWACC共に5年平均で比較しており、全社ベースでの評価なので、一概には評価できませんが、この乖離の幅と投下資本の大きさに非常に示唆深いものがありました。 



日立製作所と三菱電機はラインギリギリのところで経営しているわけですが、日立製作所は投下資本が約6兆円であるのに対し、三菱電機は約2兆円です。一方、ROICWACCは日立製作所が2%後半で、三菱電機は5.5%です。要は三菱電機は日立製作所の3分の1の投下資本を概ね2倍のリスク・リターンの事業で勝負を行なっており、その結果、株式時価総額は拮抗しているということになります。 



また、ソニーは5社で最大の投下資本約8兆円を活かしきれず、ROICWACCの乖離は4%近くになります。当然株価は個社別のファンダメンタルズに大きく影響を受けるわけであり、ソニーの株価が冴えないことを如実に反映していると思われます。



 当然、この日はこの後、エコノミックプロフィット法(EP法)による個社別の事業ポートフォリオ評価を行ったのですが、更にいろいろなことがわかりました。また、それは次の機会に。 



※投下資本 = 流動資産+固定資産 -(流動負債-短期借入金)
※株式、負債は各決算期末日数値、βは各決算期末日の3年週次
WACC のマーケットリスクプレミアムは各決算期から遡って過去40年を抽出したものの平均



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