パルコは13日、アジア最大級の商業施設運営会社であるキャピタモールズ・アジア(CMA、シンガポール)と業務提携したと発表しました。CMAは中国に53カ所の商業施設を展開。5年以内に100カ所に増やす計画を持ち、中国事業に活路を見いだしたいパルコ幹部が言うには「対抗策としても理想的なパートナー」だそうです。

今回の提携で1位、2位株主の森トラスト―イオン連合と対決する構図が一段と鮮明になり、あえて増配を伴う好業績の決算発表にあわせて成長力の高さを訴えましたが、大株主の2社は平野秀一社長など経営陣の刷新などを求める従来の立場を変えていないとのことです。
 
再度記載しますが、「共同保有者」となったイオンと森トラストの出資比率は合計45・6%になりました。仮に、株主総会における議決権行使比率が91%まで高まったとしても過半数に達します。通常議決権行使比率は70%程度までが多く 90%超になるとは考えにくく、議決権獲得競争(委任状争奪 プロキシーファイト)に発展する可能性は極めて低いことから、引き続き森トラスト・イオン連合が圧倒的有利であることには変わりません。

経営陣が業績堅調、増配を訴え委任状を集めるにしても、森トラスト・イオン連合が同様のことを行い、残り4.5%を集めれば完全に「詰み」です。

気になる買収防衛ですが、買収防衛策が発動された場合、大規模買付者以外の株主に対し、保有株数と同数の新株予約権が無償で割り当てられるわけですが、大規模買付者の定義は20%であり、イオンは12.3%の持株比率ですから大規模買付者には該当しません。

また、イオン、森トラストの両方を大規模買付者と定義し、買収防衛のための無償割当を行った場合、合計の持ち株比率は45・6%から29・5%に引き下がりますが、現状イオンと森トラストを合算で大規模買付者とするのは無理があります。第一森トラストは今回買い付けていない。

しかも今回はイオンの買付のルールに違反は見られず、社外取締役である特別委員会はあくまで「株主判断」、いわゆる総会決議の委ねるということなのでしょう。おそらく今回買収防衛策は発動されない。

業績が堅調だとか、森トラストと確執があった云々も含めて、全ては情緒的なものを排除した株主総会の役員選任議案に集約されます。イオンは強引にパルコに乗り込むことでレピュテーションを下げるかもしれない。但しイオンはそれを百も承知で株を買い付けている。その位小売の・市場拡大・再編に追いつめられているということでしょうか?

おそらくパルコはイオンが株を買い付けなければ安泰だった。非常に冷たい言い方ですが、上場しているということはそういうことです。

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