SEMITECは昨日、大阪証券取引所ジャスダックのスタンダード市場への4月13日予定の上場を延期すると発表しました。11日に発生した東日本大震災、為替市場や株式市況などを勘案し、募集株式発行と株式売り出しを中止するとのことです。

震災を理由とする上場延期は3月25日常条予定であったラクオリア創薬も含め2社目ですが、以前、投資銀行で数社上場のお手伝いをさせてただいた経験から申し上げると「上場は出来る時にしておけ」というのが私の考えです。

株価が折り合わないとか、市場が冷え込んでるから、様々な理由で上場延期をされる会社があるわけですが、その後業績が伸び悩むなどして、結果的には数年経っても上場出来ていないがヤマの様にあるのが実情です。今回は特にここまで頑張ってきた役職員のモチベーションが下がってしまうのが心配です。

今回SEMITECの目論見書を見てみると、想定発行価格は1500円で、売出し無しの公募のみで調達金額は約4.7億円(オーバーアロットメント含む)でした。予想PERは12.7倍で株式時価総額は約38億円であり、オファリングレシオ(株式時価総額うち市場に出される株式の割合)は12.3%ですから、割と平均的なファイナンスであったと思われます。
今回の資金使途はタイ工場新設資金でした。いわゆる成長資金であるからこそ、是非エクイティを活用して欲しかった。

おそらく工場設立の延期はないでしょうから、必要資金は銀行借入と言う事になります。自己資本比率が60%近くあるので銀行調達出来るウラを取っての上場延期なのでしょうし、
昨日は仮条件決定日だったのですが、地震の関係で満足なロードショウが出来なかったことの結果であることは容易に想像出来ます。うーん、残念。

一方で震災の影響を一番大きく受けている3月15日のアイディホーム、島根銀行、3月18日のアイ・アールジャパンは地震の前に証券会社と株式引受契約を締結し、既に公開価格が決定しており、ファイナンスを中止してしまうと損害賠償等の問題も発生する為、やむなく上場したものと考えられます。リスクはありましたが、結果的にはそこそこの株価は付いているようですが。

話が戻りますが、SEMITECは本来出来ればこのタイミングで上場して欲しかった。
機関投資家の需要に不安があり、株価を引き下げなければならなくても、公募株数を少なくし、銀行借入とセットというやり方で一旦上場し、上場後6ヶ月目以降、上場時の不足金額分をセカンドファイナンスで賄うと方法もあったかもしれません。

非常に残念ではありますが、早いうちのSEMITECの再上場承認を切に願う次第です。

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