日経によれば、野村ホールディングスが傘下の投資会社を通じて保有する外食大手すかいらーくを、米大手投資ファンドのベインキャピタルに売却する方向で最終調整に入ったとのことです。負債込みの買収総額は3000億円弱に達するとみられ、3月末までの株式譲渡をめざすとか。

当時の案件を振り返ってみます。
野村プリンシパル・ファイナンス(以下NPF)が約1000億円と英CVCキャピタル(以下、CVC)600億円を出資、みずほ銀行から、2200億円の融資を受け、すかいらーくを非公開化した案件でした。
TOB価格は2500円で、6ヶ月間平均終値(1,962円)を27.4%上回る水準でした。自社株を差し引いた発行済株式総数を全て取得した場合、2,719億円の資金が必要となります。

NPFとCVCおよび、みずほ銀行の最大調達可能資金合計額は3800億円でしたが、2719億円との差分の1081億円は既存の純有利子負債約820億円の借り換えと非公開化の手数料と思われます。

すかいらーくの当時の企業価値(EV)は、最大資金調達を行った場合、概ねファンドとみずほの融資額となるため、EVは 3800億円です。すかいらーくの当時の予想EBITDAは約400億円ですから、EV / EVITDA = 9.5倍。当時でも9.5倍は結構なハードルでした。

また当時の横川社長の再建計画は原材料価格の高騰で暗礁に乗り上げ、サントリーに増資案を持ちかけたもののNPFが同氏の解任を模索し、労働組合も投資会社に同調し、同氏の解任条件であった融資銀行団の同意も取り付け、横川竟社長の解任と谷真常務執行役員の社長就任が決議されたことは当時大きな話題となりましたね。

それでもなかなか経営は軌道に乗らず、2008年12月にNPFは追加出資500億円を行い、現在に至ります。
ファンドは投資から5年が経ち、回収の時期ということで今回のベインへの売却ということですが、負債込みで3000億円程度ということは、取得時の3800億円を大きく下回ります。もっともファンドがこのタイミングで、損をしてまで売却するとは考えにくいので、それなりのリターンは出るのでしょうが、今期も赤字ということを勘案すると、借り入れの返済の進み具合によるエクイティの増加分程度なのかと想像する次第です。

では、ベインだときっちりと企業価値を高められるのかというと、そこなんともわかりませんが、期待するしかないでしょうかね。

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