最近、大きいニュースが多いですね。
「TSUTAYA」チェーンを運営する映像・音響レンタル最大手のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は3日、創業者の増田宗昭社長がMBO(経営陣が参加する企業買収)を実施すると発表しました。約700億円で全株式を取得し、東証1部の上場廃止を目指します。中高年層を意識した次世代店舗の開発や中国進出、新規事業への積極投資が必要と判断。非上場化で経営の自由度を高め、事業の再構築を急ぐとか。

TOB価格は600円で、3日終値(461円)を30%上回ります。増田社長が保有する41%分を除く全株式を買い付ける予定で、総額は696億円。みずほCBとSMBCからの借入調達となります。増田社長個人が全額出資して設立したMMホールディングス(東京・千代田)を通じて買い付けですね。
 MBOが成立すれば、同社はCCCと経営統合し、CCCは上場廃止となります。一方、買い付け株数が発行済み株式の約3割に当たる約5906万株に満たない場合、TOBは不成立となります。

今回のMBOで特筆すべきは、独立委員会からの推奨が得られていないことでしょうか?独立委員会では、ブルータス・コンサルティングに株価算定を依頼したところ、DCF法価格が666円~994円なのですが、その下限を上回っていないことを受けて、以下のような表明をしています。

MBOの実施及び当社株式等に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ P9抜粋

「こうした検討・交渉を踏まえて、独立委員会は、公開買付者が本公開買付けを含む本
取引を実行することは、当社の将来の企業価値向上に資するものであり、また、本公開
買付けの諸条件については公正性・妥当性及び適正性を有し、当社の少数株主にとって
不利益なものではないと判断でき、当社が本公開買付けに賛同意見を表明することには
理由があると思料するものの、当社の株主が本公開買付けに応募することを推奨するこ
との是非については、積極的に推奨することも応募しないことを推奨するものでもなく、
中立の立場を採った上で、最終的に株主の判断に委ねるのが相当である旨を当社取締役
会に対して答申いたしました。」

要は、「それほど納得感のない価格ではないけれど、DCFの下限より下なので、株主は各自で判断してください」ということですかね。当初は575円だったのですが、600円まで引き上げさせたみたいです。

ではDCFはともかく、CCCの中身を少し見てみたいと思います。
2010/12で、現金24億円、長短借入258億円、予想EBITDAは213億円です。
3日の株式時価総額は895億円。

全体で行くと
EV 895×1.3(3日終値461の+30%) + 258 – 24 = 1397 億円 
EV / EBITDA = 6.5倍

ビミョーなところではありますが。
一方で今回は全額Debtですから、財務ストレスが相当かかります。
基本は有利子負債はEBITDAの5倍までが限界なのですが、今回は
258 +700(今回最大分) / 213 = 6.04倍
となってしまいます。短期を除くと3.5倍ですから、まあ、なんとかなる水準でしょうか。

いずれにしろ、CCCは今後の成長投資を考えると、借入余力は600円の
プライスでほぼ、限界なのかもしれません。
既存の増田社長保有株を勘案すると70%以上取得がMBOの成立条件になります、
成立すれば残りも同額でスクイーズアウトでしょう。
一方で、CCCの財務内容を勘案すると利益相反云々より、これ以上のプライスは難しい様な気がします。

先日のワークスAPも含め、この10年程度、成功を収めた企業が、環境の変化に対応出来ず、成長が止まる過程に来ているのは事実でしょうし、それに伴う事業の再構築を行う意味で今後もMBOが増えるような感じがします。

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