ご存知の通り、
S&Pは27日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA─に引き下げました。アウトルックは安定的です。また、外貨建て・自国通貨建て短期ソブリン格付けはA─1+に据え置きました。

この格下げそのものは、日本財政の深刻さを勘案すれば、それ自体に驚きはないし、株式市場も大きく反応せず、為替が円安局面になっている感じです。

一昨年の12月にGFCで日本財政のテーマをやったのですが、
再度環境認識を共有したいと思います。

JGBは実はあまり海外投資家には販売されておらず、ほとんど国内で消化されています。その背景としては、法人個人の預貯金は銀行、ゆうちょ銀行に預けられる訳ですが、金融機関はその運用先として、JGBを購入しています。GDPが伸び悩み、景気回復が不透明な中、企業融資の需要が落ち込み審査も厳しくなり、運用先としては「安全な」JGBに向かうからなのですが。JGBの引受先の実に40%は日本郵政です。で、その原資は国民の貯金ですね。

JGBはほとんど国内で消化されているというこの事実が重要で、要は日本には1400兆円の個人金融資産(いわゆる預貯金)の金額まではJGBを国内で消化出来る前提ととなっている為、そのストックの安心感からあまり格付けに影響されず、金利は低利安定して来ました。

ではJGB残高がこの1400兆円をいつ超えるかという話がかなり重要なのですが、昨年の7月のIMFレポートでは、日本の家計資産総額と国債総額を比較して、国債消化できる国内市場の飽和点に関するインプリケーションを示していました。以下に貼っておきますが、彼らの試算結果では、2019年にはJGB残高は家計資産を上回ることになります。いわゆるXデーは2019年ということです。この試算では、増税はせずにJGB発行のペースは一定で、一方の家計資産は増えない、というものです。

再度、認識を共有しますが、日本が長期金利をこの十年あまり抑えることに成功したのは、1,400兆円あまりといわれている家計資産、安定的な機関投資家、そして企業の金余りなどにより、国内市場でほぼJGBを吸収出来たことが大きく、今は海外投資家の比率は5%程度です。したがって、国内市場でJGBを消化できず海外市場に大きく依存する事態が来れば、海外投資家は現状の低金利では満足できず、またこれは日本の財政破綻が明確になってきた兆候と理解されるので、JGB暴落・途上国なみの高金利の悪夢が現実のものとなる可能性もでてくるのです。
今日の日経の記事ではプライマリーバランス(JGBの残高増加なく財政を賄うこと)は2020年まで改善しないと書いてありますので、このままの財政施策では数年後じわじわと長期金利が上昇することが予想されます。

更に金利が上がるということは債券価値が下がるので、金融機関は保有JGBを思いっきり評価損計上し、公的資金投入…….って、国はカネないだろっ! ということになるわけです。

我々はやはり「財政には疎いので」と、平気で宣うもうどうしようもなくアホな総理を期待することなく、自分のチカラでビジネスを開拓し、成功させ、自分の資産を確保して行く施策を取らなければなりません。税収より年金支払の方が多いこの国はもう国民を守ってくれる余裕はない。そんなことは小学生でもわかる、というより小学生がその負担を強いられてしまう。

仮に国がデフォルトしても、自分はデフォルトしないモデルを考えておくべきなんだと切に思う今朝なのでした。

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