本日の日経朝刊で、東京証券取引所は来春にも、新興市場「マザーズ」の上場規則を変更し、新規上場の審査を緩和する一方で、上場後に成長の止まった企業には早期の上場廃止を求める意向のようです。上場企業の「新陳代謝」を促して投資家をひきつけ、東京市場の活性化につなげたいとのことらしいですね。

ルール詳細は新聞を見ていただくとして、
この考え自体は素直に賛成したいと考えています。
以前から個人的には、日本の上場制度は入り口が厳しく出口が甘いと思っていました。まあ、私が通っていた頃の大学みたいなもんで、入学試験は厳しく、入ってしまったら大学はパラダイスの状況でしたかね。さすがに今は違うとは思いますが。

上場申請担当者だったとき、東証審査、証券引受審査から出てくる意見はほとんど一般株主権利の保護に軸脚が置かれており、内部統制、予算実績管理などかなり厳格に行われていました。マザーズは本来ならベンチャーのエントリー市場であったはずなのに、実質は本則市場(東証一部、二部のこと)とほとんど変わらない体制整備を求められていました。結果的に発行体は業績管理をガンガンやらされ(実際に管理したのは私)、ほぼ伸びきった実績で上場して行ったところが多かったのだと思います。その結果、翌期には業績ダウンとなってしまい、そのまま株価はロングテールのまま。

ビジネスモデルが陳腐化してしまったこともあるのかもしれませんが、GREEやmixi、DeNAを見れば判りますが、現在成長しているベンチャーの成功企業は往々にして上場時のビジネスモデルとはそれを異にしている場合が多いですね。所詮、世の中は諸行無常であり、現状維持を目指しているのであれば、いつかは「必ず」後ろから来ているリスクテイカーにその地位を取って替わられるのは歴史が証明しています。そういった意味で、ビジネスモデルも変更せずにただ上場しているだけで、流動性もない発行体は一度退場していただくのは、ある意味理にかなっています。

但し、話を難しくしているのは上場審査のポイントはあくまで「今のビジネスモデルがサスティナブル」であることを説明しなければいけないことなんですね。「いや、また違うビジネス起こしますから」と言ったら、「じゃあ、それが見えるまで上場待ちましょう。」と審査官に言われてしまう。「いや、上場で調達した資金でそのビジネス起こすんです。」とは言えんのです。この部分は当時でも対応難しかったですね。

間口は広くして上場してもらう。粉飾やガバナンス、業績下方修正等引き続き株主に配慮することは当然ですが、その前提として、所詮株ですからリターンの保証は出来ないわけです。怖いのであれば買わなければ良い訳で。個人的には多少なりとも健全に儲かっているビジネスであれば上場させ、その資金で成長してもらい、駄目だったら退場してもらうのはいいことだと思います。ただ重要なのは退場組に対する退出のための株式流動性のバッファー(いわゆる株式買取ルール等)を決めることが必要だとは思いますが。

今日はここまで。

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