昨日の報道の通り、日本振興銀行が初のペイオフ適用となりました。

私は以前、国有化された銀行に在籍し、金融危機の時に大きく株価が下落し、預金のお客様が店頭に押し寄せ、毎日相当な額の預金が解約されていくのを目の当たりにしました。
当時は本部勤務でしたが、徐々にコール市場から資金が取りにくくなり、あまりの預金流出の大きさを防ぐため、支店の預金解約を防ぎにいくつか支店を周りました。ただ、どうお願いしようと、命の次な大事なお金です。(一部の方は命以上かも)こちらの言うことを聞く耳をもちません。
「あんたが悪いんじゃないことはわかってるよ。でも、今回はどうしても解約する」

毎日、本店も重い雰囲気に包まれ、焦燥の日々が続きました。
信頼を築くのは本当に時間がかかりますが、信頼を失うのはほんの一瞬です。
今でもあの頃が一番つらかった思い出です。

さて、振興銀行、私もよく知らなかったのですが、預金は定期預金だけで、資金決済の全銀ネットに加入していなかったとか。

新入行員のころ銀行の役割として研修を受けたのは、預金・貸出・為替です。振興銀流動性預金を持たないと言うのは為替機能を法規していると言う事であり、これが今回のペイオフのトリガーになったのかと。スタンドアローンであることが逆に周りに影響が少なく、最小限のロスで済ませられるということなんでしょうね。

銀行ではないですが、これを資金が世界で繋がっているのに、リーマン・ブラザースを破綻させてしまい、世界がひっくり返ったのはご存知のとおりです。

従来、貸出はそれのみを行うノンバンクがあり、貯金だけを集める郵便局がありましたが、為替機能を持っているのは銀行の特権でした、要は決済させるために口座入金させる、ある意味強制力にも近いものがあり、貸出と並んで決済も銀行がその権限を増大させた一因と考えています。

振興銀行はあえてそれをやらず中小企業貸出に特化しましたが、結局上手く行かず、債権買取業務に近いことを行う様になります。モラルの低下はそこら辺から始まったのでしょうかね?いずれにしろ、銀行がモラルハザードに陥ったあとの坂を転げ落ちる顛末は、不思議とみなよく似通っているなと思いました。

ペイオフ、早速「次は」との声も出ていますが、出来れば今回限りにして欲しいです。

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