本日の日経朝刊にでてましたが、JALホテルズがホテルオークラに買収されました。
軽く10分くらいでValuationしてみます。

8/7のプレスリリース記事によると、ホテルオークラはJALホテルズ株式の79.6%を約60億円程度で買収と記載されています。ですから、JALホテルズ全体の株式時価総額(Market Cap)は60億円÷0.796 = 約75..37億円ですね。
ちなみに両方とも非上場ですが、継続開示会社(有価証券報告書提出企業)で、JALホテルズは2009/3期 売上138億円、経常利益2億円です。 ホテルオークラは売上550億円、経常利益21億円です。

M&AはIPOとは違い、Valuationの尺度はEV/EBITDA倍率(EBITDAマルチプル)を使いますから、JALホテルズの借入金と減価償却費が必要なのですが、2009/3期 有利子負債(Debt)は20.66億円ですから、企業価値(EV)は79.37+20.66 = 約100億円になります。一方で減価償却は3億円、営業利益は来期の経常利益5億円を代用して、EBITDAは8億円とします。ですから、EBITDAマルチプルは100÷8 = 12.5倍です。通常のM&Aでは5倍から8倍なので、これだけ見ると高い気がしますがどうでしょうか? 

上場ホテル・旅館11社の予想EBITDAマルチプルは14.9倍で、そのうち帝国ホテルは7.3倍、ロイヤルホテルは14.8倍。あとはリゾート系が多いのであまり参考にならないかもしれません。倍率だけ見るとビミョーです。但しホテルオークラは非上場なので一般株主にとやかく言われることもありません。今回全額借入調達らしいですが、オークラの営業キャッシュフローが毎年45億円程度で安定しており、投資キャッシュフローが30億円程度であることを勘案すれば、差分の15億円で4年で回収出来てしまいます。

これは想像なのですが、多分オークラの顧客層とJALホテルズの顧客層は違うと思われ、オークラからすれば、一気に海外店舗やJALカスタマーも取り入れることができ、相応の
規模拡大は見込めたのでしょうね。非上場同士だから出来た案件なのかもしれませんが、
また時々、「10分Valuation」やってみましょう。

反復することで、M&A、IPOのValuationの力がついて来ます。
細かい数値はプロに任せて、2,3のポイントの数値だけ押さえることで、そのDealの思惑が見えたりして、ファイナンスのセンスを磨くにはいい機会だと思います。

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