今日の日経朝刊で、資生堂社長の役員報酬開示に関する記事が載っています。「役員報酬に関する当社の考え方を株主に理解してもらい、意見があれば議論してほしいと考えた」とのことです。金額の多寡については私がどうこういうことでないので申し上げませんが。役員報酬総額は株主総会決議事項であり、個別役員報酬は取締役会決議です。まあ、実際は代取に一任という決議が多いのでしょうか。

 

今回の開示は金融庁の開示布令に伴うもので有価証券報告書への開示となります。株主総会前有報提出も数社あったようですが、大半は株主総会後、要は利益処分案確定後になりますかね。それを敢えて株主総会で議論してほしいとのことでした。

 

もっとも資生堂の前田社長は業績に自信があるからこれが出来るのでしょうし、専務の方が社長より報酬が高いことについても「欧米流」の報酬が必要だと切り返しています。

転職された経験がある方はご存じのとおり、人材にも相場や、市場価格というのがあります。要はマーケットが形成されている場合には、需給があるわけで「この値段では高いから安くしろ」という議論はかみ合いません。その方を他社が欲しければ、その値段以上で引っ張るだけの話です。それでも踏み止まり、我慢して先方の言い値で働くことは需給が一致しているということですね。

 

で、この役員報酬開示、当初金融庁としては1億円以上の報酬は開示すれば、値段と経営責任(業績)との裁定が効くと思ったのでしょうが、いい業績を残している発行体の役員業績が逆に役員報酬は上がっていくのではないかと思っています。もしくは業績に対する一定のベンチマークが出来てくるのかもしれません。

 

人間は何かと他人の財布は気になるもので、役員報酬についても誰にでもわかりやすい話ですから、金額が独り歩きしやすく、どちらかというと主観的に議論される場合が多くありました。ただ今回この開示を行うことで株主(外野ではない)は他社との比較やその金額の多寡などにつき議論がしやすくなると思われます。

 

このことは、以前買収防衛策の導入にあたり「会社は誰のものか」という本質的な話が積極的に議論された様に、今回も役員報酬と企業業績・経営責任という議論が行われる呼び水になりそうな気がします。そういう議論を重ねていくことで、この国のコーポレートガバナンスの考え方が深まっていけばいいのかなと思いますが。いかがでしょうか?



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