新聞報道の通り、昨年11月に東証マザーズに上場した、半導体製造装置メーカーのエフオーアイが、有価証券届出書で、売上高を水増ししていた疑いがあり、証券取引等監視委員会(SEC)は12日午前、金融商品取引法違反(有価証券届出書の虚偽記載)の疑いで、同社本社など関係先の強制調査を受けました。決算の粉飾額は100億円規模に上ると思われます。上場廃止につながるおそれがある情報の開示が不十分だとして、13日から投資家に注意を促す「開示注意銘柄」に指定することになりました。

再度、言いますがあくまで疑いであって、確定ではありません。そこだけお含みおき、
よろしくお願いいたします。

さて、この会社の目論見書を見てみると2009/3期の売上高が11,855Mで、売掛金が22,895Mであり、売掛金回収期間が約2年!!とか、営業CFが約3,000Mマイナス!!など、
結構突っ込みどころ満載の経理の状況ではあります。

それでtwitterなどでは、「見ればすぐわかるようなBSがなぜわからない」とか、「審査はどこを見てたんだ」とか、「ここは前からアヤしいと思っていた」とか「なんでこんなにVCが入ってるんだ。おかしい。」とかいろいろな意見が出ました。
ご意見ご尤もだし、様々な意見が出ること自体は健全であると考えています。

が、以前メガBK系証券で公開引受部(数社主担当者としてIPOしていただきました。)
にいた私から、多少、関係者(監査法人、証券引受審査部、取引所上場審査部)擁護論を。

Twitterでもつぶやきましたが、上場審査は当然のことながら、その道のプロがやっているわけで(経理の状況については概ね公認会計士資格保持者)、
その過程の中で、商取引の妥当性(売上計上基準等)は一番チェックが厳しい部分です。フローチャート、検収書現物、場合によっては総勘定元帳まで提示しなければなりません。

ましてや今回のような、ある意味誰が見てもイレギュラーな財務三表である場合は、まず今回いろいろなコメントが出たような疑義は彼等も抱いたのは間違いないでしょう。だから目論見書の事業等のリスクにも「売掛金回収期間の長期化」として記載され、文言も含めて資本市場・金商法担当の弁護士チェックが入っているはずです。

当然、その中で今回おかしいと思った架所については、当然質問がなされ、書面回答、口頭回答も含め何度も行われたはずです。しかも年間19社しか上場出来ない環境(200社近く上場した頃とは審査体制が全く違います)で、それでもこの厳しい審査を通過したということは、それなりの合理的な説明があったのだろうし、それは審査を十分納得させるだけのものであったと信じています。
監査・審査の方々だって、プライド掛けてやっています。だから、公引の私はいつも案件通すのにぶつかっていましたし、けんか腰になることさえありました。

だから、正直ここをスルーしたら、
もう粉飾(本件でなく一般論として)はわからないのが現状です。

で、こうなると何が起きるかというと、「審査を厳格化せよ」と形式・実態両方厳しくなる流れになります。
ただ、個人的にはこの手の話は規則を厳しくしたところでなくならない。
やる人はやりますから。

怖いのは規則を厳格化して、日本のIPO市場が活性化しなくなること。
まだ、SECの結果待ちではありますが、審査・監査側と市場活性化のハンドリングは永遠のテーマだと感じています。

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