さてようやくデータがまとまったので、2009年度のIPO市場の総括をしてみます。
昨年度のIPO社数は19社で、2008年度は34社だったので、社数は減少しましたが、市場調達額は639億円から1008億円となり、1社当たりのファイナンス額を増加しました。但し、数年前の200社近く上場し、1兆円以上調達していた頃に比べると、それでも10%程度のパフォーマンスです。

市場全体の時価総額も昨年末の315兆円から、2010/3末では340兆円まで増加しました。
2007年末は577兆円でしたので以前の60%の水準です。如何にリーマン・ショックの影響が大きかったかと言うことですね。

全19銘柄の初値動向としては、勝敗:13勝5敗1分、平均騰落率:+37.0%となりましたが、上期の好パフォーマンス(平均騰落率+64.5%)に対し、下期は公開価格割れ(11社中4社)が目立つなど人気が離散(同+16.9%)しています。理由として、考えられるのは想定発行価格が高かったこと、いわゆるIPOディスカウントが従来50%近くかかっていたと思われるものが、20%~30%程度の水準まで下げられたことと、オファリングレシオ(時価総額に対するファイナンス額の比率)が通常は20%であるものが、30%~40%まで上がっており、ダイリューション(希薄化)に嫌気し、公募割れになったものと考えられます。

要はもうマーケットは回復基調だから多少高めの株価や大きいファイナンス額でも消化出来るだろうと思ってやってみたら、まだイレギュラーなファイナンスを消化する力はなかったということでしょうかね。

今年度のIPOは第一生命が1兆4000億円のファイナンスを行ったおかげで、ファイナンス額は過去最高に迫るところまでいきそうですが、社数はせいぜい30社程度との感触です。準備に3年程度かかること、審査が厳しいこと、ベンチャー企業業績はマクロ経済の回復の遅行指標に近い(要は回復が遅い)ことなどでしょうか?

あとはあくまで私見ですが、日本のIPOは以前の170社、180社という時代はもう来ないと思っています。上記に上げた理由もありますが、日本の株式マーケットが、様々なマクロ要因から、すでに長期的にはピークアウトしつつあることが大きいかもしれません。ピークの20年前の日経平均の1/4程度ですよ。こんな国どこにもありません。

日本企業であることは重要ですが、日本で上場することの意味がどのくらいあるのか? 海外でも通用するビジネスモデルのベンチャーは最初から海外上場(シンガポール・香港)を考えた方がいい。本社を日本に残すか否かは別として、ジャパンブランドベンチャーはリスク・リターンの許容度の大きい新興国マーケットでの評価も受け入れられ安く、多様な資金調達、資本政策も可能かと考える次第です。

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