東京証券取引所は22日、既存株主に新株予約権を割り当てる資本調達手段である「ライツ・イシュー」の利便性を向上させるため、上場ルールの一部を改正すると正式に発表しました。

 ライツ・イシューは公募増資や第三者割当増資と異なり、既存株主の利益の希薄化を回避できる手段として欧州などで実施されているが、日本ではルールの使い勝手が良くないことなどから利用が進んでいません。とはいえ今回の制度変更の背景には、今年度の大型公募増資の希薄化に対する欧州機関投資家のクレーム対応が実際のところのようです。一方で米国は公募増資が一般的なのですが。

 ライツ・イシューは、既存株主に新株予約権を無償で割り当て、株主が資金を払い込んで予約権を行使すれば株式を受け取ることができる手法であり、増資後の株式数は増えるが、既存の株主すべてに新株予約権を割当発行するため、ダイリューション(希薄化)による被害をできるだけ少なくすることができることになります。

ただ、今回表向きはそういう理由なのですが、現実的には発行体にもそれなりのメリットがあると思われます。従来公募増資は希薄化以外にも、株式流動性(売買高回転率)、いわゆる時価総額のどのくらいが市場で売買されているかが極めて重要であり、この流動性が低いとファイナンスが出来ないことが多々ありました。今回のライツ・イシューは流動性が若干弱くても、新株予約権を既存株主に「はめ込む」ため、業績、流動性の弱い発行体にもファイナンスの機会が与えられることになります。
 
もっとも、割り当てられた株主が予約権を行使しなければ、その分は主幹事が引き受ける(買い取って市場で売却すること)ため、主幹事はリスクコントロールのためにライツ・イシュー消化分がどのくらい出来るかを見極めることが重要になります。結果的はファイナンスの難しさはあまり変わらないのかもしれません。

ライツ・イシューでのファイナンス第一号の状況を見極めたいと思います。

引き続き参加者募集中!  Hiroの投資銀行サロン