ロイターによれば、上場企業が国内の公募増資で調達する資金総額が6月、1992年7月の調査開始以来、最高を記録する見通しとなりました。

 三井住友フィナンシャルグループが15日、6月から実施する公募増資の資金調達額が最大9230億円になると発表したほか、東芝と野村不動産HDも同月中に大型増資を実施したためですか。
サブプラで機能不全に陥っていた企業の市場からの資金調達は、景気底打ち期待を反映して活発化し始めているようです。

 三井住友が6月中に国内で調達する資金は3848億円。これに東芝と野村不動産HDを加えた総額は少なくとも約7300億円に達し、これまでの最高だった2001年2月(5527億円)を大幅に上回るのは確実です。

通常、公募増資は景気見通しが明るく、株式相場が堅調に推移している時期に盛況となります、最近では2006年でしたか。当然ですが、相場が堅調なら、調達したい金額に向けて新たに発行する株式数を少なく抑えることができ、1株利益の希薄化を抑えられ、調達資本をテコに業績を伸ばし、株価の上昇に結びつけ、株主に還元するエクイティストーリーも描きやすい。

ただし、今回の足許の環境はそうした「公募増資の定石パターン」からは程遠いにも関わらず、増資ラッシュは当面続きそうです。
現在の動きは、平時の公募増資とはやや異なっており、調達によってその企業が存続するか否かを中心に検討し、将来の成長性を見極める状況でしょうかね。

現在、市場が重視するのは、ダイリューションリスクよりも、BSもしくはゴーイングコンサーンリスクの回避ということでしょうか?


公募増資が見直されてきた背景には、希薄化を抑えるために日本企業が取り組んできた資本と負債の中間的要素を持つハイブリッドのような複雑な商品が、サブプライム問題を契機に投資家層に受け入れられにくくなってきた面もあるようです。

増資計画を発表後、当該企業の株価は希薄化分を織り込んで下落するのがこれまでのパターンですが、今までのところ大きく売り込まれる事態にはなっていないようです。。

ただし。
所詮はエクイティです。発行体が明確なエクイティストーリーを打ち出し、投資家が納得できなければ、公募増資への応募は減り、資本調達が十分にできない可能性もあります。

この調達を行うことでBSを改善させ、PLの伸長が出来るか否か。
戦略・ファイナンスの醍醐味はまさにこの部分に尽きるかと。

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