今日の日経でソフトバンクのCDOがデフォルトし、750億円の損失が確定したとのm記事がでました。

この内容については、2008/11/18のトピック通りなのですが、少々調べてみたところ、このスキームは完全なディフューザンスでないことが分かりました。

http://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2006/20060403_06/index.html 

このプレスでは、リーガルディフーザンスであるため、完全にB/Sから切り離されることはなく、引き続き「社債」として計上されていることになります。

オフバランスできないとすると、そのリーガルディーフューザンスの意味自体どのくらいあるのかとは思いますが。

それでも、最終黒字、営業利益3400億円→3500億円、FCF1500億円→1700億円 とかなりの改善となります。

またCDOデフォルトの開示にためらっている企業が多い中で、当初からその偶発債務を記載していたことは、「評価」できるところだと思います。


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2009/1/11 hiro-the-heroの投稿

ソフトバンク CDO  WBS 事業証券化  リファイナンス

テーマ:ファイナンス  

まずは一般論から。
リース債権やオートローン、不動産ローン等の金銭債権を多数集めて、そこから発生するCFを裏付けとして発行された証券をABS(Asset Backed Securities 資産担保証券)といい、ある特定の事業が生み出す将来のCFを裏付けとして証券を発行することを事業証券化,WBS(Whole Business Securitization)といいます。

特別目的事業体(SPE Special Purpose Entity)が発行する社債、ローンに投資を行ないSPEは調達資金を事業運営者に担保付ローンとして貸し付け、その元利金返済には事業運営者が行なう特定の事業のCFが充当されるものです。

この場合はWBSファンディングがSPEであり、特定金外信託受託者(みずほ信託)を通じてソフトバンクモバイルのローンに充当し、供与されたローンを原資としてソフトバンクモバイルはBBモバイルにローンを提供、BBモバイルがLBOローンの出し手であるシニアレンダー(17金融機関)にローンを返済すると共に、英ボーダフォンから供与された劣後ローンの一部も返済を行なうスキームですか。

既存のABSでは裏付資産自体が将来のCFを生みますが、WBSでは事業運営者が土地や設備等の事業資産を使用し、事業を行なって初めてCFが発生するため、WBSには事業リスクと事業運営者の信用リスクが混在し、CFの変動性はABSよりも高くなります。
そこで事業リスクに対しては証券の満期まで事業継続性を担保するための仕組みが必要となり、事業運営者の信用リスクに対しては事業運営者がデフォルトしても社債・ローンの返済が可能な仕組みが必要であるため、今回のWBSにもそのスキームが構築されています。

格付機関がそのスキームが有効だと判断すればWBSには事業運営者よりも高い格付が付与され、資金調達コストが軽減できます。確か今回は1%程度下がったはずです。
具体的には事業運営者であるソフトバンクの格付はS&PでBB-であるのに対し、クラスAローン、クラスAノート(債券)共にAが付与されました。これは事業運営者の信用リスク軽減ですね。



そして、昨年、金融危機のさなかにソフトバンクが保有しているCDOがデフォルトで特損計上750億円の可能性があると書かれています。

まずこのCDO、何のための保有だったかということから。
今日貼っているスキーム図の左下の信託型デットアンサンプションが今回の主役です。

WBSの証券化を行う場合、ソフトバンクモバイルは従前のボーダフォンの社債1000億円を繰上償還する必要があったらしいのですが、既に投資家に渡っている社債を繰上償還することは出来ず、結果的には償還額と同額の現金をを信託することで、社債をソフトバンクのB/Sから切り離すことが出来るというものでした。


で、その信託した750億円(250億円は償還済)を何で運用しようかと考えたときにゴールドマンが組成AA格のCDOで運用したと。国債よりは利回り良かったのでしょうね(笑)

このCDOはGSが組成し160銘柄に投資していますが、8先デフォルトすると750億円全額戻ってこないCDOが、現在6先までデフォルトしているということが、日経の記事です。

あと2先ですが、どーもほぼ間違いなくイってしまいそうな感じでしょうか。

ここで疑問なのですが、CDOの特損750億円計上はそうでしょうが、デットアンサンプションは750億円の現金があるが故に、社債750億円がソフトバンクのB/Sから切り離されていたのでしょうから、これがなくなると再度B/Sに計上されるということなんでしょうかね?

それともみずほコーポレートBKの信用補完を取り付けたとことで、そこは引き続き社債は切り離されるという理解でいいのかどうなのか........

いずれにしろ、スキームのどこから水が漏れてしまうかわからないということで、ソフトバンクとしてはかなり高い「授業料
」であったということなんでしょうね。

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