最近は、成熟市場の日本メーカーが規模の拡大を求めてクロスボーダーM&Aを行うケースが非常に多いです。特にオーストラリアは為替で40%程度JPYが強くなっているため、
案件としても非常に多いですかね。

ということで国内2位の製紙メーカーである日本製紙が、アーストラリアンペーパー(AP)を100%株式取得するようです。

業界的には、2008年度は原油価格の高騰によるコスト転嫁が進展し、紙、板紙ともに業績は強含みで推移しますが、2009年度は景気後退による需要の減少や原料価格の下落による値下げ圧力が大きくなると予想され、大手メーカーは減産に取り組みますが、予想以上の内需落ち込みにより、需給バランスが崩れ、市況は下落に向かうというのが、この業界のコンセンサス・セクターアウトルックです。

さてValuationですが、このAP売上550億円、営業利益20億円。多分豪州で上場しているのでしょうが、ちょっと数字とれませんでした。

業界的には、償却と金利負担が大きく、日本製紙で言えば償却は840億円。有利子負債は8000億円。金利CFは△31億円。DERは2.74倍。かなりレバレッジの効いている業界です。APはわからないのですが、ざっと営業利益の3倍が、EBITDAだとすると60億円。

有利子負債もわからないですが、売上の半分として250億円くらいとすると

EV = Equity550億円+Debt250億円 = 800億円

800億円/60億円 =13.3倍 ちょっと高いですね。

Debtがもっと少ないか、EBITDAが大きいか。
償却がもっとあるかも。

いずれにしろ、水平統合をを目的とし、海外に出ていくことしか、
成長戦略を見出しにくい業界ということなのでしょう。

最近よく誤解しやすいのは、
日本企業は相対的にすべていいわけではないということ。

今、一般的に日本企業はどういう状況かというと、
PLベースでは、米国よりも10%減少率は大きい。
海外売上比率が高いので。むしろ、PLは弱いです。

いいのはB/Sがまだ相対的にヘルシーであるということだけです。
これはここ3,4年のストックの結果かと。

重要なのはこのB/Sで有利である部分、いわゆるCASHが潤沢である企業は
安く先行投資出来るということ。いまさらですが。

で、話は戻りますが、この日本製紙CASH 170億円しかありません。
規模的には大したことではありませんが、新たに負債をしてでも、
APが欲しかったということなのでしょう。高いとは思うのですが。
日本製紙、財務戦略も含め、少し見て行きたいと思います。
戦略は間違っていない。多分。

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