さて、ここの項目はちょっと難しいかもしれませんが、ファイナンスの副次的、補完的な取引として重要なのでお付き合いください。


オーバーアロットメントとは、公募・売出を行う際、投資家の需要動向や市場の需給悪化を防止することを目的として投資家需要が旺盛である場合、主幹事が発行体の株主から一定数の株を借り入れて、当初の予定株数のほかに追加で売り出すことをいいます。

また、当然借りた株は返さなければいけないので、そのために市場買付けで株式を調達する方法を「シンジゲートカバー取引」、一方で発行体から第三者割当増資を受ける権利や株主から追加的に株式を譲渡してもらう権利を付与してもらうことを「グリーンシュー・オプション」といいます。

ですから、ローンチ(Launch 進水→新株発行決議)の時に、発行体は投資家に人気が出そうなディールの場合には、同時にオーバーアロットメント、シンジゲートカバー、グリーンシューの決議も行うことが多いですね。

オーバーアロットメントは借株を主幹事が借りてそれを投資家に販売するので、それほど難しくありません。

ちょっとわかりずらいのは、シンジゲートカバー取引とグリーンシューですか。

まず、シンジゲートカバーですが、例えば、発行価格が1000円でオーバーアロットメントを含む公募増資を行い、その後30日間株価推移が1000円未満だった場合、市場で発行体の株を買い付けて株主に返します。例えば市場の株価が900円であれば、市場で900円で買って1000円で株主に返します。

そうなると主幹事は100円儲かりそうですが、実際には900円で買い付けるとその瞬間需要が増えるわけですから、株価が上がっていくため、結果的に1000円に近くなっていきます。しかも発行コストは主幹事持ちですから、利益はほとんど出ません。

要は発行価格より100円低く株価が推移しているのは主幹事が需給予想を見誤った結果であり、あまりファイナンスが上手くいかなかったことになります。

一方で、グリーンシュー・オプションは発行価格1000円だった株が1100円だった場合に株を返す方法なのですが、市場で1100円で買って1000円で返すと主幹事は損失が発生するので、主幹事はグリーンシュー・オプションを行使し、返す株数分だけ発行価格と同じ1000円で再度追加で新株発行してもらい、それを主幹事が引き受けて株主に返します。または最初に貸してくた株主に結果的に「売り切り」扱いにしてもらう方法ですね。

いずれにしろローンチ後、需給バランスを調整する方法であり、わりとポピュラーな方法です。

ちなみに「グリーンシュー・オプション」とはこのファイナンス方法を初めて行ったのが、米国の「Green shoe Corporation 緑の靴屋株式会社」のIPOであったことから、この名前がついています。

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